一命

DVD「一命」を見た。
市川海老蔵主演の映画。
満島ひかりの父親役であり、
瑛太の義父役でもある。
海老蔵自身の年齢からいえば、
かなり上の役柄。
しかし、不自然さを感じさせない演技だった。

江戸時代、生活に困った武士たちが行う「狂言自殺」。
本当は自殺する気などないのに、
武家屋敷の庭で武士の最後の情けとして、
切腹させてほしいと申し出る、
生活に困窮した武士。
庭先でそんなことをされては困る、という武家は、
少々の金を渡して立ち去ってもらおうとする。
その僅かなお金のために、
武士としてのプライドを捨て、
「狂言切腹」しようとする武士。
本当にこういうことがあったのだろう。
関ヶ原の戦いの後、
今までの生活を取り上げられてしまった武士たちは、
単なる町人になることもできず、
武士としての意地だけで生きる。
しかし、その実情は、生きていくのにぎりぎりの生活。
人々は何を守ろうとするのか?
愛か?家族か?プライドか?

重い重いテーマだった。
武士たちは武士としての生き方を変えることができないで、
ぎりぎりのところで生きている。
プライドは捨てきれない。
刀はいつも所持している。
その刀は、
最後は生活費にと消えてしまう。
しかし、脇差しなしでは、
武士としてのプライドは保てない。
その結果竹光を持つことになる。
「狂言切腹」のつもりが、
その「狂言切腹」を止めるため、
あえて切腹をさせようとする武家側。
家族を守るために、
それを吞むしかない武士。
その哀れな最期。
その最期を迎えさせた武士たちに対して、
敵をとろうとする海老蔵。

切腹事件が起こる直前に、
飼っていた猫が暫く姿を消し、
やっと家に帰ってきたと思えば、
すぐに死んでしまう。
まるで死ぬために帰ってきたように・・・。
その猫が、これから起こる悲劇を暗示しているような感じである。

「死ぬ恥」と「生き恥」。
武士の生き方(あるいは死に方?)には、
そのどちらもある。
そのどちらをとるか?
命の大切さ、
その命はどうあるべきだったかを考えさせる映画だった。
登場人物はさほど多くはない。
その人物たちそれぞれが何を考えたか。
武士のプライドとは何だったのか?

つくづく、この時代に生まれなくてよかったと思った。
生まれていても、
武士ではなかったかもしれないが・・・・。

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